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2017年1月10日 (火)

大前元紀  貧しい生い立ち、金へのこだわりと不安

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大前は貧しい家庭で育ち、金のない苦労を背負って生きてきた人間だ。

大前が食費を切りつめて町田のサッカークラブに試験を受けに行った話や

母親に一日でも早く楽をさせるため、付属高校から大学への進学をやめ

清水エスパルスに入った話は有名だ。

彼の生い立ちは貧しく、つねに金がなくなることへの不安を抱えている。

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人間は過去におびえて生き続ける。

イラクへ戦争に行ったアメリカ兵達がPTSDで苦しみ続けたり

かつてはベトナム戦争帰りのアメリカ兵達が帰国後地獄を見たり

人は過去に逆らえない。

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それらの苦痛を緩和する医療施設があり

専門家の診察や治療で改善すると勘違いする人も多いが、抜本的な解決は実はなく

誤魔化し誤魔化しなんとか生きていき、どこかが自殺したり潰れていく。

大地震と津波に遭って家族を失った人は、一生そうした天災の恐怖を抱えて生きていく。

時に癒しを得ることがあっても、本質的に生きてる限り逃れられるものではない。

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大前は貧しさというものと隣り合わせで生きてきた。

金がなくなるかもしれない不安。

そこそこ安定した家庭で育った人間には到底わからない、彼が抱える不安。

大人になってから金に苦労した、というのと

金を稼ぐ能力がない子供が金のない家庭に不安を感じつつ成長するのは意味合いが異なる。

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金を捨てて、自分のやりたいことのために生きる、というのは

金に困らずに生きてきて、世話をする親や家族がいない人間にだけ許された特権であり

それ自体素晴らしいことだが、誰でもできるわけじゃない。

親や家族に対して金銭的な負担を背負う必要がない、恵まれた者は好き勝手に生きられる。

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大前の海外挑戦は一年も経たずに終わったが

それは金を儲けられないという焦りがやめさせたのかもしれない。

ドイツのクラブへ行けば億を超える額を受け取れる。Jリーグでは考えられない。

だから移籍する。

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だが出場機会のない選手へは、契約を交わした最低限の基本給ですら

支払いが滞るのが世界の常識。

出場給や勝利給は当然のごとくなく、ドイツへ行ってまるで金が入らなくなった大前は

一年も経たずに大慌てで清水に帰ってきた。

大前は0円移籍でドイツへ行ったが、清水は惜しみなくドイツのクラブに移籍金を支払って引き取った。

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普通なら海外移籍した選手は、ドイツで出場機会が得られないならオランダで、

などと所属リーグのランクを下げ、そこから再度のステップアップを目指す。

若い彼らは決してあきらめない。少なくとも数年は。

だが大前は清水を去ったあと、一年も経たずに帰ってきた。

これは給料が貰えない、という金のない不安がそうさせたと思う。

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もし背負う親や家族もなく、一匹狼で戦える身なら、海外挑戦を続けたろう。

だが大前はJリーグより金を稼ぐためにドイツへ渡ったし

そのドイツで上手くいかず、ろくに金が手に入らなかった時点で、一刻も早く帰国する必要があった。

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金がないのは恐ろしい不安だ。

贅沢という意味ではなく、生きるために金がないという恐怖を経験したことがない人間にとっては

金のために働くのは不本意であり、金を求めずに夢を追うのは美談だ。

だが金がなくて怖いという不安を抱えて少年時代を送った人間にとっては

金を手にしたい思いは強く、幾ら金があってもなくなる不安に怯え続ける。

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自分の口座にはこの先、二十年は楽に生きられる金があったとしても

まだ不安で仕方ない。

多くの者がろくに貯金もなく、それでも平気な顔をして、なんとかなるだろうと生きている。

本質的に金がなく、金がないことで死ぬかもしれないという恐怖を味わったことがないおかげだ。

だが金に苦労して少年時代を送ってきた者は、他者から見れば大金持ちといえる金額を

自分の口座に所持していたとしても、やはり不安で仕方ない。

金がなかったことの不安は、幾ら金を得ようとも、一時の癒しは得られても

本質的には解決されない。

金が尽きる不安に抗えない。

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大前が当時、10歳になる連れ子がいる女性と結婚したのも

相手の立場に深く共感したからではないか。

大前にとっては金を稼ぐためのサッカーだし、

小学生のフロンターレ時代、中学の町田時代、高校の流経柏時代を通し

いつか必ず金をつかんでやる、母を楽させてやるという願いがあったと思う。

だからドイツのクラブで出場機会がなく、給料が満足に受け取れなくなった時点で

一年も経たずに清水に出戻ったのも当然の選択だった。

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そして今、大宮アルディージャが清水の倍額といわれるオファーを出してきて

それを受けて完全移籍を決めたのも彼らしい決断だ。

彼はこう思うかもしれない。

自分のために何かしてくれたのは母だけだ。

他の人間がどれだけ自分に興味を持とうが、親切にしてくれようが、所詮金のことでは無関心だ。

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困ったら誰かが助けてくれる、という妄想に浸りながら生きられるのは

困ったことがない人間の特権だ。

実際、どんな人間でも窮地に追い込まれてしまえば、周りから突き放される一方であり

助けてくれる人間などいない。

だがそんな窮地に追い込まれたことがない人間が多いので

大丈夫、自分は親友や友達、職場や家族、多くの者に囲まれて生きている、

もしも困ったことになったら助けてもらえると、勘違いしてぬるま湯で生きている。

これは真っ当な生き方であり、素晴らしい人生だ。

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だが大前は知っている。

誰も金のことで助けてくれない。それをしてくれたのは母だけだ。

金がもし尽きたらどうしよう、金がなくなるのは不安だ、金がほしい。

口座に大金が振り込まれようが、大前の不安は尽きない。

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そして大宮アルディージャが清水の倍額を提示してきた。

清水の方も、出場給や勝利給、タイトル給など様々なものを含めれば大宮に近づけるが

大宮は基本給だけで清水を大きく突き放してきたらしい。

海外のクラブと違い、Jリーグは契約した金を必ず支払う。

大前にとって大宮は当たり前の選択だった。

自分は金を稼ぐためにサッカーをしている。

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金に困ったことのない奴らが、困ったらどれだけ苦労するか、

周りから拒絶されて絶望を味わうかを知らず

金を二の次にしてサッカーをする。

馬鹿げた話だ。

そして幸せだ。彼らはとても幸せだ。金のない絶望を知らない。不安を知らない。

つねにそのことで怯え続ける本質を知らない。

親の面倒を見なくていい貧乏学生やフリーターが、金がないと能天気に言うのとはわけが違う。

生きることができない、そんな不安。金がない。

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大前にとって金は抗えないものだ。

大宮はそんな大前に大金を支払い、そして数年後にはあっさりと突き放すだろう。

一円も大前にはくれてやらず、大前が路上で苦しがって倒れていても無視するだろう。

大前はそれも知っている。

家族がいて母がいて、金のためにサッカーをやる。

最高の評価をした大宮アルディージャへ完全移籍した大前元紀。

そんな大前元紀に対して私は言いたい。

二度と清水に足を踏み入れるな。路上で苦しみ倒れて干からびやがれ、この野郎。

おまえの人生はドブの中だ。

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